近年、介護離職は企業にとって無視できない課題になっています。少子高齢化が進み、働きながら家族の介護を担う従業員は今後さらに増えていくことが予想されます。しかし、介護は育児と違い、いつ始まるか予測しにくく、準備がないまま直面しやすいという特徴があります。
その結果、仕事との両立に悩み、離職という選択をしてしまうケースもあります。
介護離職は、従業員本人の問題にとどまりません。企業にとっても、人材流出や生産性低下、採用・育成コストの増加など、経営への影響は小さくありません。
では、企業は介護離職を防ぐために何に取り組めばよいのでしょうか。
私は、特に重要なポイントは2つあると考えています。
経営者が介護による影響を理解する
まず必要なのは、経営者や管理職が、介護を「個人の問題」ではなく「経営課題」として認識することです。
従業員が家族の介護に直面すると、通院の付き添い、入退院対応、ケアマネジャーや介護事業所との調整、緊急対応など、さまざまな負担が生じます。
その影響で、遅刻・早退・欠勤が増える、仕事への集中が難しくなる、昇進を諦める、場合によっては離職に至ることもあります。
しかも、介護は「ある日突然」始まることが少なくありません。
だからこそ、企業側が「従業員にこうしたことが起こりうる」と理解しておくことが重要です。
さらに、介護離職による損失も見過ごせません。
経験ある人材を失うことは、組織にとって大きな痛手です。新たな採用や育成には時間も費用もかかります。周囲の社員への負担も増え、チーム全体の生産性に影響することもあります。
介護離職防止は、福利厚生の一環ではなく、人的資本を守る取り組みとして考える必要があります。
介護の備えを早い段階から準備する
もう一つ重要なのが、「介護が始まってから対応する」のではなく、「始まる前から備える」という視点です。
多くの企業では、介護に直面した人への支援には目が向きやすい一方で、「これから介護」という層への働きかけは十分とはいえません。
しかし、本来重要なのはここです。
40代、50代の従業員に対して、親の状況を把握しておくこと、介護保険制度を知っておくこと、いざという時の相談先を知っておくことなど、「介護の備え」を伝えておくことが、早めの相談や適切な対応につながります。
そして、この介護の備えは、仕事と介護の両立支援制度を活かす土台にもなります。
介護休業や介護休暇、柔軟な働き方などの制度があっても、従業員が制度を知らない、相談できない、使いにくい状態では機能しません。
だからこそ、制度周知だけでなく、介護の備えに関する情報提供や研修、相談しやすい風土づくりが必要なのです。
私は、介護の備えが、仕事と介護の両立支援制度を支える形になると考えています。
この視点は、今後の企業の両立支援において、とても重要になるはずです。
まとめ
介護離職を防止するために、企業がまず取り組みたいことは2つです。
☑️ 1つ目は、経営者が介護による影響を理解すること。
☑️ 2つ目は、介護の備えを早い段階から準備すること。
介護離職は、防げます。
そのためには、制度を整えるだけではなく、介護への理解、備え、相談しやすい職場づくりまで含めて考える必要があります。
企業が今から準備することが、従業員を守り、組織を守ることにつながります。
産業ケアマネによる支援について
介護離職を防ぐためには、介護への理解を深め、従業員が家族の介護に直面した際に相談できる仕組みつくることが重要です。
しかし、「何から取り組めばよいかわからない」「自社に合った進め方がわからない」と感じる企業も少なくありません。
そうした企業の支援を行うのが、産業ケアマネです。
産業ケアマネは、仕事と介護の両立支援の視点から、企業に対して
- 介護離職防止のための研修
- 従業員の家族の介護の実態調査
- 管理職向け 仕事と介護の両立に関する研修
- 従業員向け 介護の個別相談
などを行い、従業員が働き続けられる環境づくりを支援します。
介護離職防止や、仕事と介護の両立支援についてご関心がありましたら、お気軽にご相談ください。

